年に一度のApple主催の開発者向けイベント、WWDC。
今年もその時期がやってきた。
今年のWWDCで発表されると専らの噂のARMベースのMacBook。
それが今年の目玉らしいんだけどさっぱり分からない。




もっと素人にも分かるように誰か説明してほしい…
はい、説明しますよ、この僕が!
ARMベースのMacBookって何だろうって思っている人、遠慮なく読んでいってほしい。
ARMとは
そもそもARMという単語が分からない。
まずなんて読むの?
ARMとはアームと呼ぶ。
ARMとはイギリスのケンブリッジにある「ARM Holdings」という会社のことだ。
プロセッサを開発している。
プロセッサと言うとインテルが一番有名。
インテルはプロセッサの開発から製造、販売まで行っている。
それに対してARMは少し異なる。
ARMはプロセッサや周辺技術の開発だけを行っている。
そしてライセンスを販売している。
ライセンスを購入したメーカーが独自にカスタマイズしてプロセッサを完成させる仕組みだ。
だからARMベースという言葉が出てくる。
ARMが基本設計したものをベースにカスタマイズしたものということだ。
ARMベースのプロセッサの例
実は世の中にはたくさんのARMベースのプロセッサがある。
例えばスマートフォンに使われているプロセッサ。
あれは基本的にはARMベースのものが使われている。
Appleの場合、iPhoneにはA○○(例えばA13)というプロセッサが使われているが、あれもARMベースでAppleがカスタマイズしたプロセッサだ。
実はインテルのプロセッサが多く使われているのはパソコンの世界だけで、それ以外ではARMベースのプロセッサが多く使われている。
ARMベースのプロセッサは全然マイナーじゃない。
ARMベースのプロセッサをMacBookに使うメリット
ここまででARMベースのプロセッサがどういうものか分かっていただけただろう。
ではこれまでインテルのプロセッサを使用してきたMacBookにARMベースのプロセッサを使用するメリットは何だろうか。
Appleのペースでハードの開発ができる
これまでのMacBookの性能はインテルのプロセッサの開発ペースに影響を受けてきた。
インテルと歩調が合わず1年経っても同じプロセッサを使っているとかザラにあった。
しかしARMベースのプロセッサにすれば簡単に解決。
ハードの開発ロードマップに合わせて自社でプロセッサも開発すれば良いだけだ。
既にiPhoneやiPadではできていることがMacBookでもできるようになる。
アプリの共用が進む
これまではiPhone、iPad用のアプリは共用化が進んでいた。
ユニバーサルアプリと言って同じアプリを入れればそれぞれの環境で大活躍してくれるってやつだ。
でもMac用のアプリはそれができない。
インテルのプロセッサのルールとARMベースのプロセッサのルールが異なっているためだ。
MacもARMベースのプロセッサを使うようになればユニバーサルアプリとしてMac、iPhone、iPadで同じアプリを使うことが可能になる。
開発者目線だと開発の負担が軽くなるし、ユーザー目線だと1回買ってしまえばMac、iPhone、iPadで使えるようになるのでお財布の負担が軽くなる。
WIN-WINの関係だ。
MacBookの電池持ちが良くなる
インテルのプロセッサは電力消費が大きい。
従ってMacBookのバッテリーはすぐに無くなる。
iPhoneやiPadと比べてMacBookの電池持ちが良くないのはプロセッサの問題なのだ。
MacBookもARMベースのプロセッサになったらiPhone、iPadと同じようにMacBookももっと電池持ちが良くなること間違いなし。
これで出先で電源がないところでの作業が捗る!
やったぜ!!
RMベースのプロセッサをMacBookに使うデメリット
もちろん良いことばかりではない。
当然デメリットもある。
既存のアプリが動かない可能性がある
インテルのプロセッサ用に開発されたアプリはそのままではARMベースのプロセッサでは動かない可能性がある。
その場合アプリの作り直しが必要になる。
これは致命的だ。
Appleの自社開発のソフトならともかく、サードパーティーのアプリはARMベース版が開発されるとは限らない。
人気のアプリが動かないまま放置されるという可能性もある。
これではユーザー離れも進んでしまう。
対策としては人気のアプリはAppleがお金を出してでも開発してもらったりするのだろうか。
MacBook上でWindowsが動かなくなる
Boot Campという機能を使えばMacBook上でWindowsが動かせるわけだが、ARMベースのプロセッサを搭載したMacBookではWindowsが動かせなくなる。
正確に言えば今までのWindowsは動かせなくなる。
実はARMベースのWindows機がいくつかあって、一番有名なのがMicrosoft純正のSurface Pro Xだ。
そのSurface Pro Xには通常のWindowsではなく、ARMベース版Windowsが搭載されている。
そのARMベース版WindowsをインストールしないとBoot CampでもWindowsを起動できないのではないか。
まとめ
ARMベース版MacBookとはなんぞやというのを解説した。
アプリの共用化が進むのが個人的には1番のメリットに感じる。
今使っているタスク管理アプリのOmniFocus3はMac版とiOS版の両方を購入する羽目になってしまった。
これがひとつ購入すれば良くなるのであれば大変ありがたい。
さてさて、WWDC2020は日本時間で6月23日午前2時。
そこでは噂通りARMベース版のMacBookは発表されるのだろうか。
今から楽しみに待とう!